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2010/6/16

経済産業情報

公的健保3組合が倒産の危機に

この記事の要約

ドイツの公的健康保険3組合が倒産の危機に直面している。保険料収入の効率的な利用と保険財政の安定化を狙って健康基金(Gesundheitsfonds)が2009年1月に創設されて以来初めて。健保関係者の間には倒産の波がさら […]

ドイツの公的健康保険3組合が倒産の危機に直面している。保険料収入の効率的な利用と保険財政の安定化を狙って健康基金(Gesundheitsfonds)が2009年1月に創設されて以来初めて。健保関係者の間には倒産の波がさらに広がるとの懸念もある。

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債務超過に陥るなど経営危機が深刻化している公的健保は今年から、連邦保険局(BVA)に申告することが義務づけられている。BVAは健保の申告を受けると3カ月間の調査を行い、存続の是非を決定する。

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経営が破たんしかかっているのは小規模健保のCity BKK、BKK Heilberufe、Gemeinsame Betriebskrankenkasse Koeln(GBK)の3組合。メディア報道によるとCity BKKは09年、5,000万ユーロの赤字を計上。今年4月には保険料の追加徴収を余儀なくされるなど財務がひっ迫しており、今年もほぼ同額の赤字を見込む。高齢者と医療費のかさむ患者を多く抱えていることがネックとなり、身売り先を見つけることもかなわなかったもようだ。4月の時点でBVAに申告を行っており、同組合の監査役会とBVAは廃業の方向で合意しているという。

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規模の大きな健保も財務が必ずしも良好ではなく、『ファイナンシャル・タイムズ』(ドイツ版)はこのほど、公的健保3位のDAKが経営破たんする恐れがあると報じた。DAK側は即座に報道内容を否定したものの、専門家は「こうした記事が出ること自体、公的健保の危機的状況を物語っている」と指摘する。

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