ドイツをはじめとする欧州の建設業界団体が欧州連合(EU)の補助金ルール改正を要求している。中国の建設会社が自国政府の補助金を受けEU域内の公共入札に異様に低い価格で応札し、落札するケースが目立ってきたためだ。21日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が報じた。
\ポーランドの高速道路A2号線の改修に向け同国の高速道路管理公団GDDKiAが昨年、計5区間を対象に実施した入札で、中国国有の中国海外工程責任有限公司(COVEC)は2区間を落札した。HB紙によると、入札価格は推定コストの30%にも達しておらず、欧州の建設業界は中国政府の補助金を受けていると推測している。
\現在のEUルールでは欧州企業が補助金を受けて入札に参加することが禁じられている一方で、第3国の企業にはこのルールが適用されない。現状では欧州の公共事業を中国企業が次々と落札する恐れがあり、欧州の建設業界団体はルール変更により対等な立場で競争できる土俵を整えるよう要求している。
\欧州議会の産業委員会はこれを受け、欧州全域を対象に調査を実施し、必要があれば是正に向けた措置を導入する考えだ。世界貿易機関(WTO)には補助金を受けて公的入札に参加することを禁止する協定があるが、中国は同協定に加盟していない。
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