欧州連合(EU)が遺伝子組み換え(GM)作物の認可制度を改革する。一部加盟国の反対で認可手続きが遅々として進まない現状を改めることが狙い。欧州委員会が7月中旬に発表予定の改革案をもとに21日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\EUではGM作物に対する拒否感が消費者の間で強く、在来型の作物がGM作物の花粉に汚染され販売が減少することを恐れる農家も多い。こうした世論を背景にオーストリアやドイツ政府は安全性が科学的に証明されたGM作物であっても承認に拒否権を行使するため、EU内でこれまでに商業栽培が許可された品種は2つにとどまる。BASFが開発したGMポテト「アムフローラ」に至っては、栽培許可が下りるのに計14年を要した。
\欧州委はこうした事態を改めるため、加盟国に自国での栽培の拒否権を認めると同時に、こうした国が反対しても認可が下りる制度を導入する考えだ。加盟国がGM作物の栽培禁止地域を設定することも認める方向という。
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