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2010/6/23

総合 - ドイツ経済ニュース

オペル再建はGMが自力で、公的支援を断念

この記事の要約

自動車大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)は欧州事業の再建資金を全額自力で捻出する。ドイツ政府に申請していた公的融資保証が9日に却下されたことを受けて決定した。欧州子会社オペルのニック・ライリー社長は16日、支援獲得に向 […]

自動車大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)は欧州事業の再建資金を全額自力で捻出する。ドイツ政府に申請していた公的融資保証が9日に却下されたことを受けて決定した。欧州子会社オペルのニック・ライリー社長は16日、支援獲得に向け新たに交渉を行っても時間と労力がかかりすぎるとの判断を示すとともに、スペイン、英国などオペル工場のあるドイツ以外の国への融資保証申請も取り下げることを明らかにした。

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GMはオペルと英ボクソールからなる欧州事業の再建に33億ユーロを確保する計画。これまでは、そのうちの19億ユーロを自力で捻出し、残りを工場のあるドイツ、英国、スペインの公的融資保証で獲得する方針で、ドイツには2月に11億ユーロを申請していた。

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独政府の申請却下後も州内にオペル工場を持つ独4州(ヘッセン、ノルトライン・ヴェストファーレン、ラインラント・ファルツ、チューリンゲン)は支援に意欲を示していたが、実現の見通しは不透明で、GMは見切りをつけた格好だ。

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公的支援の獲得を断念したものの、欧州事業の再建費用は33億ユーロに据え置いた。人員削減規模の拡大や新たな工場閉鎖は行わないとしている。従業員は手当カットなどを通して今後5年間で計13億ユーロを拠出するとした経営陣との取り決めを遵守する意向だ。

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