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2010/6/23

経済産業情報

風力発電シェア、EU再可エネの50%に

この記事の要約

風力発電は今後20年以内に欧州連合(EU)で最も利用される再生可能エネルギーとなる見通しだ。ドイツ機械工業連盟(VDMA)の最新調査レポートによると、風力の発電能力は2007年5万6,500メガワット(MW)から2030 […]

風力発電は今後20年以内に欧州連合(EU)で最も利用される再生可能エネルギーとなる見通しだ。ドイツ機械工業連盟(VDMA)の最新調査レポートによると、風力の発電能力は2007年5万6,500メガワット(MW)から2030年には28万MWへ拡大。再可エネ発電に占める割合も23%から50%へと増え、現在1位の水力発電を追い抜くという。(グラフを参照)

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EUの風力発電ブームを後押しするのは、洋上風力発電パークの拡大と内陸風力発電のリパワリング(既存のタービンを交換し発電能力を高める措置)の増加。2030年の予想風力発電能力28MWのうち17万MWは内陸発電で、リパワリングが7万MWを占める。残りの11万MWは洋上発電になるという。

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ドイツでも風量発電能力は2030年までに現在の3倍の6万5,000MWに拡大すると予想される。この間にリパワリングが施される設備の発電能力は約3万MWに上る見通し。また、現在は50MW前後の洋上発電能力は2万5,000MWへと急拡大する。風力発電への投資規模は年55億ユーロに上る見通しだ。

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ただ、リパワリングではタービンが大型化するケースが多く、周辺住民の反対が予想される。また、洋上発電では沖合から内陸部に電力を輸送する送電網の整備が欠かせないため、政府の支援が普及のカギを握る。

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