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2010/6/23

経済産業情報

中国向け独機械輸出、昨年も増加

この記事の要約

経済危機で景気が世界的に冷え込んだ昨年、中国は独機械業界の業績悪化を緩和した。ドイツ機械工業連盟(VDMA)によると、同国機械業界の2009年輸出高が前年比23%減と大きく落ち込んだなかで、中国向けは4%増の114億ユー […]

経済危機で景気が世界的に冷え込んだ昨年、中国は独機械業界の業績悪化を緩和した。ドイツ機械工業連盟(VDMA)によると、同国機械業界の2009年輸出高が前年比23%減と大きく落ち込んだなかで、中国向けは4%増の114億ユーロに拡大。米国向けを抜いて初めて国別の1位となった。今年第1四半期の中国向け輸出高も前年同期比7.5%増と好調で、機械輸出全体の11%を占めた。17日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

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ドイツ製機械の需要を押し上げているのは、中国政府が景気対策の一環として進める大型インフラ事業。VDMA加盟企業3,000社の大半が中国へ製品を輸出しているうえ、現地に生産拠点を構える企業も550社に上る。

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ただ、景気対策による特需はやがて縮小する。現地系の機械メーカーが実力をつけてきたこともあり、中長期的にみると中国事業はバラ色ではない。知財権侵害の被害も深刻で、VDMAが実施した加盟企業アンケート調査では、09年の1年間に発覚した製品やブランドの模造の79%が中国で行われたものだった。

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また、VDMAのマンフレット・ヴィッテンシュタイン会長はFAZ紙に対し、中国政府が◇国内企業に手厚い補助金を支給している◇外国企業に高額なライセンスや証明書料金を課す◇経済協力開発機構(OECD)が定める輸出信用規定に違反している――など、保護主義的な政策を行っていると指摘。7月に訪中するメルケル首相がこれらの問題に何らかの対策を示すことに期待を示した。

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