不動産金融大手のAareal(ヴィースバーデン)は28日、金融危機の発生後に受けていた公的資本注入の返済を開始したと発表した。公的資本支援を受けたドイツの銀行で返済に着手したのは同社が初めて。事業が好調に推移し、財務基盤も安定しているため、返済開始を当初予定の2011年初頭から前倒しした。
\Aarealは資金調達が極めて難しくなっていた2009年初頭、連邦政府傘下の金融市場安定化基金(Soffin)から匿名出資(Stille Einlage)の形で総額5億2,500万ユーロの資本注入を受けた。同社は今回、このうちの1億5,000万ユーロを返済。これに伴い中核自己資本比率が11.2%(概算値)から10.5%(同)に低下するものの、国際事業を展開する金融機関が遵守しなければならない最低値(8%)を大きく上回っており、問題はないとしている。
\国(連邦)から受けた公的資金注入の額が最も大きいドイツの金融機関はCommerzbankで182億ユーロ。これに不動産金融のHypo Real Estate(77億ユーロ)、州立銀行West LB(30億ユーロ)が続く。
\Aarealは今回の返済と並行して、すでに認可を受けている公的融資保証枠20億ユーロを利用することも明らかにした。不測の事態に備えた措置と説明している。
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