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2010/6/30

経済産業情報

省エネ住宅向けの政府支援、7月から条件が厳しく

この記事の要約

政府系金融機関の独復興金融公庫(KfW)は省エネ住宅の新築・改築向け低利融資の適用条件を7月から厳しくする。また、政府は来年度から省エネ住宅向けの助成予算を4億5,000万ユーロに半減することを計画しており、住宅分野での […]

政府系金融機関の独復興金融公庫(KfW)は省エネ住宅の新築・改築向け低利融資の適用条件を7月から厳しくする。また、政府は来年度から省エネ住宅向けの助成予算を4億5,000万ユーロに半減することを計画しており、住宅分野での二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた動きの後退や、関連業界での雇用減少を懸念する声が出ている。ドイツ語版『フィナンシャル・タイムズ(FTD)』紙が24日付で報じた。

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ドイツでは住宅の75%が1978年以前に建てられており、これら旧式住宅の年平均の電力消費量は1平方メートル当たり225キロワット時(kWh)に上る。KfWは省エネ住宅の新築向け支援でこれまで、電力消費量を同100kWh以下(平均的な1戸建て)に抑えることを融資条件としてきたが、7月からはこれを30%少ない70kWhへと厳格化する。また、断熱材の利用や新型の暖房設備の設置など省エネのための改築でも、融資条件となる電力消費量をこれまでの数値より30%引き下げる。

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ただ、新築住宅では省エネ率が高いほど融資条件が借り手に有利になるうえ、借入額の最高10%を助成申請できる。また、改築の場合も借入額(最高7万5,000ユーロ)の12.5%に助成が適用される。さらに、住宅所有者が専門家から省エネのアドバイスを受けた場合はKfWが同費用(最高2,000ユーロ)を負担する。

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このため、KfWは融資条件を厳しくしたあとも、融資の申請件数が大幅に減ることはないと予想している。KfWは昨年、62万件の新築・改築案件に計89億ユーロの融資ないし助成を行った。今年は同件数が第1四半期だけで37万件に上っている。

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