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2010/6/30

経済産業情報

民間健保、料金プラン変更時の割増は不当=最高裁

この記事の要約

料金プランを変更した民間健康保険の既存加入者の保険料を新規加入者より割高に設定することの是非をめぐる係争で、最高裁の連邦行政裁判所は23日、割増料金の一律徴収は不当とする判決を下した(訴訟番号:BVerwG 8 C 42 […]

料金プランを変更した民間健康保険の既存加入者の保険料を新規加入者より割高に設定することの是非をめぐる係争で、最高裁の連邦行政裁判所は23日、割増料金の一律徴収は不当とする判決を下した(訴訟番号:BVerwG 8 C 42.09)。加入者の医療リスクが高まっていることが明確に証明できない限り、プラン変更時も最初の契約時の査定基準がそのまま適用されるとした。

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係争の発端になったのは保険大手アリアンツが2007年に投入した健康保険「Aktimed」だ。Aktimedは従来の商品より基本保険料を低くした一方、加入者のニーズに応じて保障内容を拡大できるようになっている。アリアンツは同社の既存顧客がAktimelに切り替えた際に、「保険料率の算出機構が全く異なる」ことを理由に、20%の割増料金を徴収していた。

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これに対し連邦金融監督庁(BaFin)は、料金プラン変更の際に保険料値上げが認められるのは、重大な疾病など加入者の健康リスクが高まっていることが明白な場合に限られるとして、一律の割増料金徴収を禁止。アリアンツがこれを不当として提訴していた。

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連邦行政裁判所の裁判官は、「保険契約者は料金プラン変更の際、最初の加入審査時に保険会社側が確認した健康状態をそのまま引き継がせる権利がある」と指摘。そのうえで、料金変更時に既往症や疾病がまったく認められない加入者にまで割増料金を請求することはできないと言い渡した。

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アリアンツはこれを受け、既存客から徴収した割増料金を返還する方針を明らかにした。

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