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2010/7/14

企業情報

Duerr AG―自動車産業好調で業績回復―

この記事の要約

独塗装設備大手Duerr(ビーティヒハイム・ビシンゲン)の業績が急速に回復している。新規受注高は今年第1四半期に好転し第2四半期も底堅く推移しており、黒字転換が視野に入ってきた。同社のラルフ・ディーター社長が経済紙『ハン […]

独塗装設備大手Duerr(ビーティヒハイム・ビシンゲン)の業績が急速に回復している。新規受注高は今年第1四半期に好転し第2四半期も底堅く推移しており、黒字転換が視野に入ってきた。同社のラルフ・ディーター社長が経済紙『ハンデルスブラット』に対し明らかにした。

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Duerrの新規受注は昨年、経済危機を受けて急速に悪化。第1四半期には前年同期から60%減少した。その後は減少幅の縮小が続き、今年に入ってプラスに転じた。受注から納品まで最大1年を要するため、受注好転が売り上げや利益に反映される時期はややずれ込むものの、2010年は売上高が最低7%増加すると予想している。

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業績改善の背景には経済急成長中の中国、インド、ブラジルなどで主要顧客の自動車メーカーが工場新設計画を次々と打ち出していることがある。自動車大手の独Volkswagen(VW)は中国に60億ユーロを投じ、同国南部に4工場を設置。高級車大手のBMWとDaimlerも中国販売台数をそれぞれ3倍の30万台に拡大するため、現地の工場投資を大幅に増強している。

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こうした動きは自動車用塗装装置の世界市場で約40%のシェアを持つDuerrの受注増につながっている。同社の売り上げに占める中国事業の割合は昨年の11%から今年は約20%に拡大する見通しだ。

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