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2010/7/14

企業情報

EnBW AG―ロシアからの核燃料棒などで減損処理―

この記事の要約

電力大手の独EnBW(カールスルーエ)がロシア企業との契約にからんで痛手を被っている。核燃料棒が契約通りに引き渡されないことが最大の問題で、2009年決算では計1億3,000万ユーロの減損処理を実施した。同社は8日付のプ […]

電力大手の独EnBW(カールスルーエ)がロシア企業との契約にからんで痛手を被っている。核燃料棒が契約通りに引き渡されないことが最大の問題で、2009年決算では計1億3,000万ユーロの減損処理を実施した。同社は8日付のプレスリリースで、この問題を徹底解明するためハンスヨーゼフ・チンマー取締役(技術担当)が20日付で退任すると発表した。

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問題となっているのは05~08年にかけての契約。核燃料棒については、代金を支払ったにもかかわらず、契約通りに供給がなされていないという。同社はこのほか、廃炉となったEnBWのオプリヒハイム原発の解体・処分、ロシアの核廃棄物を対象とする輸送・貯蔵監視システムの構築などに関する契約でも減損処理を施した。契約相手の企業名など詳細は伏せている。

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チンマー取締役はこれらの契約に深く関与していた。このため、自身が取締役にとどまると契約内容や関連事業の検証上、好ましくないと判断。自ら退任を申し出たという。監査役会は同取締役を近い将来、技術関係の取締役として再招へいする意向を示している。

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