昨年倒産した独デパート大手Karstadt（エッセン）の売却契約が成立する公算が高まった。同社を買収予定の投資家ニコラス・ベルグラン氏が、売却契約に難色を示してきたValovis Bankとの交渉で合意にこぎつけたためだ。Valovis Bankが13日明らかにした。
\ベルグラン氏は6月上旬、Karstadtの買収契約に調印した。その際、店舗のテナント料引き下げを賃貸主のHighstreet要求。これが受け入れられることを契約発効の条件とし、Highstreetとの交渉に入った。
\だが、交渉はHighstreetに8億5,000万ユーロを融資するValovis Bankが、ベルグラン氏のKarstadt再建計画に難色を示したため停滞していた。Valovis Bankは再建が失敗し、Highstreetに融資した資金を回収できなくなることを懸念していた。
\今回合意が成立したのはこの懸念が解消されたためだ。Valovis Bankの広報担当者は、Highstreetへの融資が2014年までに返済されることで合意が実現したことを明らかにした。返済に関する具体的な取り決めは今後、まとめ上げる予定という。
\ベルグラン氏はKarstadtを持ち株会社に改組したうえで、そのもとにスポーツ、高級デパート、一般デパートの3子会社を設立する計画。Valovis Bankはこのうちの一般デパート子会社について倒産の恐れがあると懸念していた。
\Valovis BankはKarstadt従業員の年金ファンドKarstadtQuelle Mitarbeitertrust e.V.傘下の金融機関で、不動産金融や信販事業を手がける。
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