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2010/7/21

総合 - ドイツ経済ニュース

ハンブルク州首相が辞任へ

この記事の要約

ハンブルク州のオーレ・フォンボイスト首相(キリスト教民主同盟=CDU=)は18日、8月25日付で辞任する意向を表明した。政治活動に疲れたことが理由とみられる。CDUの州首相でこの1年間に退任するか辞意を表明したのはこれで […]

ハンブルク州のオーレ・フォンボイスト首相(キリスト教民主同盟=CDU=)は18日、8月25日付で辞任する意向を表明した。政治活動に疲れたことが理由とみられる。CDUの州首相でこの1年間に退任するか辞意を表明したのはこれで6人目と異様に多く、今後の政治の停滞が懸念されている。

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フォンボイスト首相は2001年に就任し、3期目の現在は環境政党・緑の党と連立政権を運営してきた。保守のCDUが緑の党と州レベルで連立したのはドイツ初で、電力大手バッテンフォールの石炭発電所建設計画は大幅な修正を余儀なくされた。

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同連立政権は生徒の進路を小学校4年の終了後に振り分ける伝統的なドイツの学制を6年終了後の振り分けに変更する政策も打ち出した。だが、同政策に対しては市民の反発も強く、その是非をめぐって25日に実施された州民投票では反対派が勝利。政権は大きな痛手を受けた。

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連邦憲法(基本法)の新しい規定に従い、今後大幅な歳出削減に取り組まなければならい一方で、その実現のメドが立たないことも政権の悩みの種となっていた。フォンボイスト首相の後継者と目されていたミヒャエル・フライターク州財務相(CDU)はこの問題が原因で今年3月に辞任しており、これも同首相辞任の伏線となったもようだ。

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ドイツの州首相のなかには将来の連邦首相の座を狙っている者が多く、独自の政策構想を打ち出して同じ党の連邦首相を批判することも珍しくない。こうした動きは政治を刷新する要素として高く評価されており、与党CDUの州首相の相次ぐ退任はこうしたダイナミズムの弱体化につながる恐れがある。CDUの党首を務めるメルケル連邦首相にとっては人材不足という形で影響が出そうだ。

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