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2010/7/21

企業情報

Volkswagen AG―株主が訴訟方針―

この記事の要約

高級車メーカーのPorscheが投機的な手法を用いて自動車大手Volkswagen(VW)の買収を狙い失敗した問題で、株主のドイツ系ファンドを代表する弁護士事務所CLLBがVWを相手取って損害賠償訴訟を起こす予定だ。CL […]

高級車メーカーのPorscheが投機的な手法を用いて自動車大手Volkswagen(VW)の買収を狙い失敗した問題で、株主のドイツ系ファンドを代表する弁護士事務所CLLBがVWを相手取って損害賠償訴訟を起こす予定だ。CLLBの弁護士フランツ・ブラウン氏が週刊誌『シュピーゲル』に対し明らかにした。同弁護士事務所はPorscheに対しても同様の訴訟を準備しており、VWとPorscheの経営統合計画は遅延する恐れが出てきた。

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Porscheは2005年にVW株を20%弱取得。その後、出資比率を高めていき、09年1月に51%を確保し子会社化した。さらに75%超の取得を目指したが、投機が裏目に出て財務が悪化したため、逆にVWグループの傘下入りすることになった。

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CLLBがPorscheの投機にからんでPorscheのほか、VWも提訴するのは、ポルシェのヴィーデキング社長(当時)とオーナー一族のピエヒ氏がVWの監査役に名を連ねていたため。同弁護士事務所はVWが両氏を通して投機情報に内通していたと主張している。

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2社に対する買収請求額はそれぞれ24億ユーロ(予定)と大きく、この問題は経営統合のリスク要因となりそうだ。

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Porscheに対してはすでに米国で株主訴訟が起こされているほか、ドイツでもシュツットガルトの検察当局が捜査を進めている。

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