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2010/7/21

企業情報

Infineon Technologies―露Sistemaとの出資交渉観測、社長が否定―

この記事の要約

独半導体大手Infineon(ミュンヘン)のペーター・バウアー社長は『南ドイツ新聞(SZ)』に対し、ロシアのハイテク企業SistemaがInfineon株取得に向け交渉しているとの観測を明確に否定した。ロシアは西欧など先 […]

独半導体大手Infineon(ミュンヘン)のペーター・バウアー社長は『南ドイツ新聞(SZ)』に対し、ロシアのハイテク企業SistemaがInfineon株取得に向け交渉しているとの観測を明確に否定した。ロシアは西欧など先進国の企業が持つ最先端技術の獲得を国家戦略に位置づけており、SistemaがInfineonに資本参加するとの憶測は数年前からある。ロシアのメドベージェフ大統領はこのたび訪露したドイツのメルケル首相に対しInfineonへの関心を改めて表明したもようだ。

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バウアー社長はSZ紙に対し「わが社の株式は証券取引所を通して誰でも取得できる」とそっけなく発言。SistemaがInfineon株を獲得したいのであれば、市場で購入すればよいとの立場を明示した。また、急成長が続く新興市場のなかではアジアを最重視する考えを示し、ロシアへの関心はそれよりも低いことをほのめかせた。

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メドベージェフ大統領がInfineonへの関心をメルケル首相に伝える背景には、Infineonがドイツの安全保障に関わる業務を行っているため、外資であるSistemaが同社株25%超を取得するには独政府の許可を得なければならないという事情がある。Infineonはドイツのパスポート向けチップを生産しており、これに用いられる暗号技術が国外の漏れることは安保を揺るがす事態に発展しかねないという。

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