デュッセルドルフの検察当局とドイツ国内13都市の税務当局は14日、スイスの銀行大手クレディ・スイスの独支店や事務所を脱税ほう助の容疑で一斉に家宅捜査した。富裕層向け資産運営部門の行員(未特定)がドイツの顧客の脱税行為を組織的に支援していた疑いがあるという。
\今回の捜査はノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州政府が闇ルートから入手したCDに記録されていた脱税容疑者リストの情報を基に実施された。検察当局によると、同リストにはクレディ・スイスの顧客1万1,000人以上の名前と口座データが記載されており、計13億ユーロの資産が非課税のままスイスの口座に移されたという。
\NRW州は今年2月、250万ユーロを支払い匿名の情報提供者から同CDを購入した。同州から情報提供を受けた各州の税務当局はすでに脱税リストに載った約1,100人を対象に捜査手続きを開始している。
\同CDの買い取りに関する報道が始まった年初からこれまでに、脱税を行ってきた納税義務者2万人が刑罰を免除されるため税務当局に自己申告を行った。2年前には独連邦情報局(BND)がリヒテンシュタインの大手銀行LGTの顧客データを入手。ドイツポストのツムヴィンケル社長(当時)の脱税が発覚し、執行猶予付きの有罪判決が下された。
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