スイスのプライベートバンク大手Julius Baer(チューリヒ)が、Deutsche Bankが売却予定の子会社BHF-Bankの買収に関心を示している。Julius Baerのボリス・コラルディ頭取への取材をもとに22日発行『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\Deutsche Bankは金融危機で業績が悪化したプライベートバンク大手のSal. Oppenheimを昨年10月に買収。これに伴いBHF-Bankを取得した。ただ、手元に残すのはSal. Oppenheim本体のプライベートバンク事業のみで、残りはすべて売却する方針を打ち出している。BHF-Bankの売却手続きは今月中にも開始するもようだ。
\BHF-Bankはプライベートバンクや資産管理事業を手がける。本社はフランクフルトにあり、ドイツ国内に12拠点を持つほか、ルクセンブルク、スイス、アラブ首長国連邦、ベトナム、エジプトに進出している。
\Julius Baerはドイツをスイス、イタリアとならぶ欧州の中核市場と位置づけており、BHF-Bankの買収によりドイツ事業を強化する意向だ。ドイツには現在5拠点を持つ。
\コラルディ頭取はインタビューでこのほか、Sal. Oppenheimと独Merck Finck(プライベートバンク)の買収にも関心を持っていたことを明らかにした。前者はDeutsche Bankが買収したためにとん挫、後者は価格面で折り合いがつかず断念したという。Merck Finckは今年5月、インドの複合企業Hinduja Groupの傘下に入った。
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