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2010/7/28

経済産業情報

子供の薬物販売に警察お手上げ

この記事の要約

ベルリンの警察当局は21日、ノイケルン地区のコップ通りでヘロインを密売した自称11歳の少年を補導した。この少年が補導されたのはこの1週間で2回目、通算では12回目。ベルリンではこうした子供による薬物販売が急増している。\ […]

ベルリンの警察当局は21日、ノイケルン地区のコップ通りでヘロインを密売した自称11歳の少年を補導した。この少年が補導されたのはこの1週間で2回目、通算では12回目。ベルリンではこうした子供による薬物販売が急増している。

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大衆紙『ビルト』によると、同紙の記者は21日12時40分、地下鉄8号線の車内でこの少年(同紙は「ヤメル」と仮称)を発見。移動しながらインタビューを試み、パレスチナから来たとの回答を得た。

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少年はその1時間後に身柄を警察に拘束され、そのまま居住先の児童養護施設に運ばれた。施設の責任者は記者に対し、「彼はドイツ語を話せないと言うから難しいんだ。薬物売買の世界に足を深く踏み入れているらしいことも問題だよ」と発言。外出を禁止することもできず、少年をいったいどう取り扱ったらよいか分からないと困惑を打ち明けた。

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困っているのは警察も同様である。14歳未満の子供を逮捕して取り調べることは法律上、できないためだ。

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先ごろ亡くなった同州の裁判官キルステン・ヘルジヒ氏の遺著によると、こうした少年の裏にはアラブ系の犯罪組織が隠れている。これら組織は中東の難民キャンプにいる少年をドイツに密入国させたうえで、薬物の売人に仕立てているという。身元も年齢も確認できないため、当局としては対処のしようがないわけである。

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こうした問題の発生を受け、ベルリン州政府は法改正の検討を開始した。薬物売買で補導した少年を外出できない施設に拘留し更生させる考えだ。

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