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2010/7/28

経済産業情報

外国人への大麻販売禁止は妥当

この記事の要約

オランダには「コーヒーショップ」という専門店がある。事情を知らないと「コーヒーを販売する店」と勘違いするのだが、要はマリファナ、ハシシといったいわゆる「ソフトドラッグ」を合法的に販売する店のことである。喫茶店は「コーヒー […]

オランダには「コーヒーショップ」という専門店がある。事情を知らないと「コーヒーを販売する店」と勘違いするのだが、要はマリファナ、ハシシといったいわゆる「ソフトドラッグ」を合法的に販売する店のことである。喫茶店は「コーヒーハウス」と呼ばれる。

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薬物が合法的に手に入るとなると、これを目当てにわざわざ外国からやってくる輩も多い。アムステルダム経由で日本に帰ると、空港の手荷物受取所を警察犬が巡回しているのはそのせいだろう。

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こうした「麻薬ツーリスト」に頭を悩ましているのはしかし、オランダも同様である。特に隣国のドイツ、ベルギー、フランスから若者が数多くやってくる国境地帯ではその傾向が強い。

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業を煮やした自治体のなかには外国人への販売を禁止するところもある。欧州連合(EU)条約締結の地マーストリヒトはそうした市の1つだ。

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同市は数年前に、外国人へのドラッグ販売を禁止する条例を施行。市長はこれに違反したコーヒーショップに閉鎖命令を出した。

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だが、閉鎖させられた店の側も黙ってはおらず、裁判となった。現在、EUの欧州司法裁判所(ECJ)で争われており、今秋にも最終判決が下される見通しだ。

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ECJでは判決に先立って、法務官が中立の立場から勧告を出す。この裁判でもその勧告がこのほど出された。結論は、薬物目当ての外国人旅行者は公共の秩序を脅かすというもので、市当局の言い分を支持した格好。ECJは通常、法務官勧告に従った判決を下すため、同市では外国人への販売が今後も厳しい取り締まりの対象となる見通しだ。

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