ドイツのカールスルーエとスイスのバーゼルを結ぶライン地溝帯路線(Rheintalbahn)の複々線化に向けたドイツ鉄道(DB)の計画が地元当局に却下された。独バーデン・ヴュルテンベルク州南バーデン県庁は18日、計画には不備があるうえ、周辺住民への配慮も少ないと理由を説明した。
\同路線の複々線化はオランダのロッテルダムとイタリアのジェノバを結ぶ欧州縦断貨物鉄道の輸送量拡大に向けた国際プロジェクトの一環として計画されており、ドイツ政府は1996年のルガノ条約で実現を義務づけられている。区間の長さは182キロ。
\DBはこれを受け、敷設計画を作成した。約57億ユーロを投じて2020年までに完成させる計画だ。
\だが、路線の周辺住民は防音対策が不十分だなどとして計画の改善を要求。南バーデン県当局は専門家の意見も聞いたうえで今回、計画の練り直しを命じた。具体的にはオッフェンブルク市を通過する区間について敷設場所の一部変更やトンネルの設置、防音壁の設置距離拡大を要求している。
\これに伴い敷設コストは8億~10億ユーロ膨らむ見通しで、バーデン・ヴュルテンベルク州は追加コストの半分を負担する意向を表明済み。残りについてはDBと連邦(国)が分担しなければならない。
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