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2011/2/23

経済産業情報

ノキアが特許訴訟で敗訴

この記事の要約

UMTS(3G)特許を侵害されたとして特許管理会社のIP-Com(ミュンヘン近郊プラッハ)がノキアを相手取って起こしている裁判で、マンハイム地方裁判所は18日、原告の主張を認める判決を下した(訴訟番号: 7 O 100/ […]

UMTS(3G)特許を侵害されたとして特許管理会社のIP-Com(ミュンヘン近郊プラッハ)がノキアを相手取って起こしている裁判で、マンハイム地方裁判所は18日、原告の主張を認める判決を下した(訴訟番号: 7 O 100/10)。IP-Comは担保3,000万ユーロを提供すれば、当該の特許を使用した携帯端末の国内販売を差し止めることができる。ノキア側は「問題とされている技術はドイツで全く利用しておらず、判決はナンセンス」として、上訴も辞さない構えだ。独dpa通信などが報じた。

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係争対象となっている特許は自動車部品大手ボッシュが開発した「100a」と呼ばれる技術。非常事態(回線混雑時)に優先的に取り扱うユーザーの接続順位指定に関わるアルゴリズムで、IP-Comは2007年、同特許を含む特許群(100シリーズ)を数億ユーロで買い取った。同社によると100aはUMTS標準規格の一部であり、「全く利用しないことは通常では考えられない」としている。

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これに対しノキアは、「当該の特許技術がドイツの携帯電話会社で通信接続制限の手段として採用されたことは一度もなく、使われる機会はまったくなかった。また、我々は優先順位決定について別のアルゴリズムに切り替えており、同技術を搭載した端末は現在販売していない」として、判決を批判した。

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