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2011/3/30

経済産業情報

香水小売業界の収益悪化

この記事の要約

ドイツの香水小売市場が回復に向かっている。香水共同仕入れ組織を運営するCosparのベルント・クルシュカ社長によると、2010年の国内業界売上高は前年比で2%増加し、金融・経済危機発生以前(08年)の水準をほぼ取り戻した […]

ドイツの香水小売市場が回復に向かっている。香水共同仕入れ組織を運営するCosparのベルント・クルシュカ社長によると、2010年の国内業界売上高は前年比で2%増加し、金融・経済危機発生以前(08年)の水準をほぼ取り戻した。ただ、売上増は値下げによる販売増の結果で、個人経営店の多くは採算割れかそれに近い状態に陥っており、全国2,800の香水販売店のうち800店が倒産の危機に瀕しているという。24日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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香水販売店の経営を最も強く圧迫しているのは国内最大の香水チェーンDouglasだ。同社は全国に445の店舗を持ち、集客力の高い商店街やショッピングセンターのほとんどに出店している。メーカーや卸売業者から入る販売報奨金(リベート)収入も多く、業界関係者の試算によると売り上げの25%をリベートが占める。さらに、「Ed Hardy」など独自の高級ブランドを持っているため、利益率が高い。全国香水販売店連合会によると、香水販売チェーンで国内2位のDrogerie Muellerの営業利益(EBITベース)が1.6%にとどまるのに対し、Douglasは同5.3%に上る。

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香水小売店はこのため、ニッチ商品を取り扱うなどの差別化で生き残りを模索している。ただ、全国香水販売店連合会の関係者は「ニッチ商品は通常、販売店が自らの手で宣伝を行わなければならない」と述べ、成功は容易でないと指摘した。

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