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2011/5/18

経済産業情報

カードのスキミング犯罪が急増

この記事の要約

カード情報を不正入手して悪用するスキミング犯罪がドイツで急増している。独連邦警察庁(BKA)とカード取引安全管理会社のEuro Kartensystemeが10日の共同記者会見で明らかにしたところによると、スキミング被害 […]

カード情報を不正入手して悪用するスキミング犯罪がドイツで急増している。独連邦警察庁(BKA)とカード取引安全管理会社のEuro Kartensystemeが10日の共同記者会見で明らかにしたところによると、スキミング被害に遭ったキャッシュディスペンサーの台数は昨年3,183台となり、前年比で55%増加。スキミングによる現金引き出しの被害額は同50%増の6,000万ユーロに達した。

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スキミングは現金払出し機などに小型カメラやダミーキーボードを取り付け、暗証番号やカードの磁気ストライプの情報を読み取る犯罪。こうして得た情報を元にカードを偽造し国外で現金を引き出す。BKAによると、スキミング犯罪集団の大半は南東欧諸国、特にルーマニア、ブルガリア出身者で構成されている。

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ドイツの銀行はこの数年、スキミング対策を相次いで講じ、そのコストは膨らんでいる。大手民間銀行は昨年1年間だけで、所有する現金払出し機の3割を「スキミングに利用されやすい」との理由で交換した。『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙によると、交換対象になったのは大部分がWincor Nixdorf社製だったという。

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一方、スキミングは銀行以外のカード端末にも波及しており、今年に入りドイツ鉄道(DB)の券売機や無人ガソリンスタンドの支払い機、スーパーのPOS端末で被害が確認された。

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記者会見に臨んだBKAのユルグ・ツイールケ長官は、被害対策として◇国外引き出し額に上限枠を設定する◇SMSを利用して海外取引の記録を知らせるサービスの導入◇カードに安全性の高いICチップを搭載しない国でのサービス凍結―などを実施するよう銀行に要求した。

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