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2011/5/18

経済産業情報

陳列棚の商品を自動補充、独スーパーで世界初の試み

この記事の要約

食品スーパー大手Edekaのヴァイデン・グリューンバウアー店(バイエルン州)で、陳列棚(什器)に自動的に商品を補充する商品陳列システム「Shelf Replenishment System(SRS)」が試験導入された。こ […]

食品スーパー大手Edekaのヴァイデン・グリューンバウアー店(バイエルン州)で、陳列棚(什器)に自動的に商品を補充する商品陳列システム「Shelf Replenishment System(SRS)」が試験導入された。これまで店員の手作業が常識だった商品補充が自動化されたのは世界で初めてという。物流ソリューション会社Witron Logistik + Informatik(パークシュタイン)が流通専門家や什器メーカーの協力を得て開発した。

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SRSの目玉は什器の後ろ側に構築された「ダイナミック・シェルフ・シャトル(DSS)」と呼ばれる搬送システムだ。同システムには商品スキャナーが取り付けられており、空になったり残り僅かになると自動的に搬入部(倉庫)のディスプレーに補充を求めるメッセージが表示される。搬入担当者がディスプレーの指示に従って補充商品を店頭の陳列と同じ方法(1段積み/2段積み、列当たり商品個数)で運搬用のトレーに乗せると、搬入部と棚を結ぶコンベヤ(シャトル)で運ばれる。

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SRSの大きなメリットは店員の負担を軽減することで顧客に対応する時間が増えるなど、サービスの質を向上できることだ。『南ドイツ新聞』によると、Edekaヴァイデン・グリューンバウアー店の売り場面積は4,000平方メートル、取り扱う商品は4万点で、頻繁に補充が必要な商品は1万3,000点に上る。販売員(計86人)の大半はこれまで、1日の勤務時間のうち補充作業だけで1時間を費やしてきたという。

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新システムが導入された現在も補充注文が集中した場合や顧客が間違った棚に商品を戻したような場合は人手による作業が必要となるため、補充作業が完全になることはないものの、Edekaの担当者は「従業員はこれまでのように商品の7割を毎日手で補充する必要は亡くなった」と効果に満足を示した。

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