固定網通信サービス会社の独Versatel(ベルリン)は19日、金融投資大手の米Kohlberg Kravis Roberts(KKR)が同社を買収すると発表した。KKRはすでにVersatelの大株主3社から計92%を譲り受けることで合意。このほかに5%を取得すオプション権を持つため、残り3%を株式公開買い付け(TOB)で取得し、上場を廃止する意向だ。買収総額は約2億4,000万ユーロを見込む。
\Versatel株を大株主Apax Partners、Cyrte Investments、United Internetの3社から1株当たり5.5ユーロで譲り受ける。一方、TOB価格は過去3カ月間の加重平均株価をもとに決定する予定で、最低6.7ユーロになるという。
\Versatelはブロードバンド市場の競争激化を受けて顧客減と売上減、赤字経営が続いており、現在は従業員の削減や技術サービスのアウトソーシング化などのリストラに取り組んでいる。顧客数は昨年1年間で10%減少した。
\経営陣はKKRの協力を得て、買収やインフラ投資を実施し、競争力を回復する考えだ。次世代LTE移動通信網の構築に取り組む携帯電話サービス事業者との提携を成長のチャンスとみている。
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