欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/6/15

経済産業情報

スウォッチに競争法違反の疑い、独禁当局が調査開始

この記事の要約

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は8日、時計世界最大手のスウォッチ・グループに対し捜査を開始したと発表した。同社がグループ企業以外のメーカーへの部品供給を全面的に中止する方針を表明したことを受けたもの。同方 […]

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は8日、時計世界最大手のスウォッチ・グループに対し捜査を開始したと発表した。同社がグループ企業以外のメーカーへの部品供給を全面的に中止する方針を表明したことを受けたもの。同方針はカルテル法に違反する可能性があるとしてスウォッチ自らが通報したという。

\

供給停止を予定するのはガンギ車、アンクル、振り座がセットになった「アソルティマン」と呼ばれる部品とムーブメント。同社は供給を停止する理由として、自社グループ製品の需要が世界的に高まっており、これまで他社に振り向けてきた生産能力を早急に自社向けに切り替える必要があるためと説明している。ただ、スウォッチはスイス時計市場で支配的な地位にあり、同措置はスイスの時計産業に大きな打撃を与える恐れがある。

\

COMCOはこのため、最終的な決着がつくまでの暫定措置として、年内は競合への供給を完全に継続し、2012年から段階的に供給量を引き下げていくよう命じた。12年はアソルティマンの供給量を2010年比で5%、ムーブメントについては同15%減らすことを認めている。

\

なお、09年9月に開始されたスウォッチのムーブメント子会社ETAへのカルテル捜査は、新たに開始される親会社への捜査からの影響を避けるため、一時的に中断された。

\