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2011/6/22

企業情報

Vodafone D2 GmbH―「固定網に新規投資せず」=社長―

この記事の要約

英Vodafoneの独法人Vodafone D2(デュッセルドルフ)は今後、固定通信網への投資を見合わせる。固定網事業の利幅が薄いうえ、次世代通信技術LTEが今後普及すると移動通信網の通信速度が飛躍的に高まり一般消費者が […]

英Vodafoneの独法人Vodafone D2(デュッセルドルフ)は今後、固定通信網への投資を見合わせる。固定網事業の利幅が薄いうえ、次世代通信技術LTEが今後普及すると移動通信網の通信速度が飛躍的に高まり一般消費者が固定網を使い続ける意義が大幅に薄れるためだ。同社のフリードリヒ・ヨウセン社長は16日「現在1ユーロを自由に使えるのであれば、固定網でなく移動通信網に投資したい」と明言した。

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ドイツの固定網通信は交換局からエンドユーザーの建物までの回線(ラストワンマイル)をすべてDeutsche Telekomが保有し、競合企業は利用料金の支払いを義務づけられている。料金は連邦ネットワーク庁が設定し、今年3月には引き下げられたものの、その負担はなお重く、Vodafone D2では固定網部門の2011年3月期売上高が21億ユーロだったのに対し、同料金は約5億ユーロに上った。建物の配線盤と各世帯を結ぶ回線に銅線を利用しているため、通信速度が著しく低下してしまうという問題もあり、同社は固定網の将来性を見限ったもようだ。今後は固定網分野の一般顧客に対し無線通信サービスへの乗り換えを勧めていく。

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