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2011/7/13

総合 - ドイツ経済ニュース

着床前診断が制限付きで可能に、下院が法案可決

この記事の要約

着床前診断(PGD)を条件付きで認める法案が7日の連邦議会(下院)で可決された。PGDは議員の倫理観や信仰に直接かかわる問題のため、決議は党議拘束なしに実施。出席議員594人のうち326人が賛成票を投じた。\ ドイツでは […]

着床前診断(PGD)を条件付きで認める法案が7日の連邦議会(下院)で可決された。PGDは議員の倫理観や信仰に直接かかわる問題のため、決議は党議拘束なしに実施。出席議員594人のうち326人が賛成票を投じた。

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ドイツでは従来、PGDが胚保護法により禁止されているとの法解釈が有力だった。だが、最高裁の連邦司法裁判所(BGH)は昨年7月の判決で、PGDは現行法に違反していないとの判断を提示。PGDを行った医師に無罪判決を下した。

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これを受け、与野党内にはPGDに対する国の姿勢を明確化する必要があるとの認識が広がり、連邦議会には今回可決されたPGDを認める法案のほかに、PGDの禁止を明確に定めた法案、および両法案の中間的な立場の法案が提出。各議員は自分の信念に基づく熱のこもった演説を繰り広げた。メルケル首相はPGDを禁止する法案を支持した。

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可決された法案が施行されると、カップルの男女どちらか重病につながる遺伝子の欠陥を持つ場合はPGDを受けることが可能になる。その際は事前に医師の説明を受けるほか、各地の大学病院内に新設される倫理委員会の承認も得なければならない。倫理委は婦人科医、心理学者、遺伝学者で構成される。PGDの受診者は年200人程度と予想されている。

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PGDを受けるにはこれまで、同診断が法的に認められたベルギーや英国などの国外に出国しなければならなかった。

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