欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/7/13

企業情報

SGL Carbon SE―BMW大株主が出資拡大、今年2度目―

この記事の要約

富豪ズザンネ・クラッテン氏の投資会社Skionが炭素繊維大手SGL Carbon(ヴィースバーデン)への出資比率を従来の27.27%から29%弱へと引き上げた。同比率の拡大は5月に続き今年2度目。ロイター通信が6日報じた […]

富豪ズザンネ・クラッテン氏の投資会社Skionが炭素繊維大手SGL Carbon(ヴィースバーデン)への出資比率を従来の27.27%から29%弱へと引き上げた。同比率の拡大は5月に続き今年2度目。ロイター通信が6日報じた。

\

今回の出資比率引き上げは転換社債の株式化を通して実施した。SGLを買収することは考えておらず、同比率を今後も30%以内に抑えるとしている。30%を超えると、法律の規定により他の株主からの株式買い取りを提案しなければならなくなる。

\

Skionは車両用炭素繊維素材の開発・生産でSGLが戦略提携する自動車大手BMWの大株主。BMWの競合Volkswagen(VW)が今年に入ってSGL株を大量に取得したことに警戒感を持っており、出資の引き上げによりけん制する狙いのようだ。

\

炭素繊維は電気自動車(EV)の軽量化のカギを握る素材で、BMWはSGLと合弁生産した同素材を2013年に発売予定のEV「i3」に投入する計画。SGLへのVWの影響力が高まると、この計画に支障をきたすことも考えられる。

\