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2011/7/13

ゲシェフトフューラーの豆知識

採用面接時の嘘の回答、解雇できるかはケース次第

この記事の要約

社員募集に応募した場合、自分をできるだけ高く評価してもらいたいと思うのは自然な感情だろう。ただ、だからと言ってあからさまな嘘を言われたのでは採用する側としては困ってしまう。大型トラックの運転ができると言って採用したのに、 […]

社員募集に応募した場合、自分をできるだけ高く評価してもらいたいと思うのは自然な感情だろう。ただ、だからと言ってあからさまな嘘を言われたのでは採用する側としては困ってしまう。大型トラックの運転ができると言って採用したのに、いざ仕事をさせてみると実は乗用車の運転免許しか持っていなかったというのでは話にならないだろう。では面接などで虚偽の情報を示し採用された社員は例外なく解雇できるのだろうか。この問題について最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が7日の判決(訴訟番号:2 AZR 396/10)で判断基準を示したのでお伝えする。

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裁判を起こしたのは大手ソフトウエア企業に採用された障害者の女性。採用面接の際に障害者かどうかを問われ嘘の回答をしていた。これを知った雇用主は同社員を解雇。原告はその取り消しを求めて提訴した。

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第1、2審は原告勝訴を言い渡し、最終審のBAGも下級審判決を支持した。判決理由で裁判官は、応募者が示した虚偽の情報が採用の決め手となっていた場合は解雇できるとの判断を提示したうえで、被告の雇用主が「原告が(障害の有無に関する)質問に(障害を持っていると)仮に正しく回答していたとしても、採用していた」と証言したことを指摘。障害の有無は採用決定の決め手ではなかったとして、解雇無効を言い渡した。

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