エネルギー大手の独RWE(エッセン)は14日、ロシアの国営天然ガス大手Gazpromと戦略提携することで基本合意したと発表した。西欧諸国で天然ガス・石炭発電事業を共同で行う考え。提携により投資資金を圧縮する狙いだ。Gazpromは念願の西欧電力市場参入を果たす。
\両社は合弁会社を設立しドイツ、英国、ベネルクス諸国で天然ガス・石炭発電事業を共同展開する意向で、RWEが持つ既存の発電所と建設予定の発電所を合弁に移管することを今後3カ月間、協議していく。ただ、合弁計画に対しては独カルテル庁が疑念を表明しており、先行きは不透明だ。
\RWEは累積債務が270億ユーロを超えるうえ、ドイツの原発廃止前倒しを受けて利益も圧迫されている。このため株価は大きく低下。格付け引き下げのリスクも高まっており、投資資金の確保は緊急の課題となっている。
\Gazpromが安定株主として同社に資本参加するかどうかについては協議の対象になっていないと強調している。また、Gazpromが敵視するナブッコ天然ガスパイプライン計画については今後も取り組んでいく意向を明らかにした。
\Gazpromは西欧での天然ガス販売でRWEの競合Wintershall(BASF子会社)と合弁会社Wingasを展開している。RWEとの合弁が実現した場合は、Wintershallとの協力関係に影響が出る可能性もある。
\RWEは同日、送電網子会社Amprionの資本74.9%をCommerz Real(Commerzbank子会社)を中心とするコンソーシアムに売却することも明らかにした。債務圧縮に向けて2013年までに計80億ユーロの資産を放出する計画の一環。Commerz Realによると、取引金額は約7億ユーロに上る。RWEはAmprion株の残り25.1%については長期的に手元のとどめる意向だ。
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