造船大手の独ティッセンクルップと仏DCNSの2社が両国政府を交えて軍用船事業の合併を協議しているもようだ。1日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙が報じたもので、両国の航空宇宙大手を統合したEADSの軍用艦バージョンの実現を狙っているという。ティッセンクルップは合併協議の事実はないとしている。
\欧州の造船各社は軍用船需要の減少に直面している。このため、ティッセンクルップは軍用船事業を中東の同業 Abu Dhabi MAR Group(ADM)との合弁会社に移管する方向で協議してきたが、7月初旬に破談となった。
\FTD紙によると、フランス政府は独仏両国の軍用艦メーカーの合併に以前から前向きで、ドイツ政府に打診していた。ただ、独政府はEADSに対し独仏が対等出資しているにもかかわらず同社の主導権をフランス側に握られた苦い経験があるため、軍用艦分野の合併提案をこれまで取り合わなかった経緯があるようだ。合併は水上艦と潜水艦の2分野でそれぞれ合弁会社を設立。水上艦ではフランスが、潜水艦ではドイツが主導権を握る方向という。
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