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2011/8/3

経済産業情報

RWEがスマートグリッド実証試験へ

この記事の要約

エネルギー大手RWE(エッセン)は7月27日、ルール地方のミュールハイム市でスマートグリッドの実証試験を実施すると発表した。「E-DeMa」と名付けられた同プロジェクトでは、インターネットを通して電力市場価格情報をリアル […]

エネルギー大手RWE(エッセン)は7月27日、ルール地方のミュールハイム市でスマートグリッドの実証試験を実施すると発表した。「E-DeMa」と名付けられた同プロジェクトでは、インターネットを通して電力市場価格情報をリアルタイムで提供し、価格が最も安い(=分散電源からの電力供給が最も多い)時間帯に家電を使うよう誘導する。RWEは同市郊外のザールン地区でモニター家庭を募集し、1年かけて効果を検証する計画だ。

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RWEは2年前から同市の10万世帯にスマートメーターを導入する国内最大規模のプロジェクトを進めており、E-DeMaはこれを補完するものと位置付けられている。その主眼は需要家(家庭)と電力会社、インテリジェントネットワーク、インターネットをエネルギー経済の観点から相互に結び付けることに置かれている。

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モニターとして参加できるのはザールン地区の1戸建て住宅ないし2世帯住宅に住む家族およそ1,100世帯で、いくつかのグループに振り分けられる。各世帯はスマートメーターを設置され、1,000世帯には自宅のPCにリアルタイムの電力料金情報を閲覧できるシステムもインストールする。100世帯には市場電力価格が最も安い時間に自動的に運転を開始するスマート家電(洗濯機、乾燥機、食洗機のうち2種類)を提供。また11世帯にはスマートグリッド対応の小型ガス熱電併給装置を設置し、消費者と同時に生産者でもある「プロシューマー」として自家発電の余剰電力を販売できるようにする。

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E-DeMaは情報通信通信(ICT)技術をベースとした未来のエネルギーシステム構築を目指す政府の研究プログラム「E-Energy」の1つで、連邦環境省(BMU)から助成金を受ける。RWEを中心にシーメンス(電機)、ミーレ(白物家電)、クレーフェルト市営電力会社、ProSyst(ソフトウエア)、ドルトムント大、ボーフム大、エッセン・デュースブルク大の計8機関が参加する。

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