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2011/8/3

経済産業情報

バイオプラスチック容器は「エコ」にあらず、環境団体が批判

この記事の要約

仏食品大手ダノンのヒット商品「アクティヴィア(Activia)」の新しい容器が環境団体からやり玉に挙げられている。バイオプラスチック製のパッケージに「環境によりやさしい」と印刷されていることに対し、ドイツ環境支援協会(D […]

仏食品大手ダノンのヒット商品「アクティヴィア(Activia)」の新しい容器が環境団体からやり玉に挙げられている。バイオプラスチック製のパッケージに「環境によりやさしい」と印刷されていることに対し、ドイツ環境支援協会(DUH)は「同容器の環境負荷は石油由来パッケージと全く変わらない」などとして宣伝の中止を要求。ダノン側が応じなければ提訴も辞さない構えだ。

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DUHによると、ダノンは数カ月前、アクティヴィアの容器をトウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)製のものに切り替えた。PLAは生分解性があり、コンポスト中で水と二酸化炭素に完全分解される。

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再生可能原料を用いた生分解プラスチックは地球温暖化対策や循環性資源として期待されているが、分別回収によるリサイクル体制が整っていないなど問題も多く、エネルギー・環境研究所(IFEU)がダノンの委託を受けて実施した環境負荷評価では、新容器と従前の容器とで環境負荷に「違いはない」ことが明らかになった。DUHはこれを受け「環境配慮のイメージだけで消費者をだますものだ」としてダノンを批判、パッケージの宣伝を取りやめるよう強く求めている。

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一方、ダノンの独法人は「容器は世界自然保護基金(WWF)と共同開発したもので、石油資源を原料とする前の容器より環境にやさしいことに異論の余地はない」と反論している。

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