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2011/8/10

企業情報

Zenergy Power―次世代超電導ワイヤー開発で補助金獲得―

この記事の要約

超電導応用産業機器メーカーZenergy Powerの独法人はこのほど、第2世代高温超電導線材(2G HTS)の開発で連邦経済技術省(BMWi)から助成金350万ユーロを獲得したと発表した。主に2G HTSの大量生産・低 […]

超電導応用産業機器メーカーZenergy Powerの独法人はこのほど、第2世代高温超電導線材(2G HTS)の開発で連邦経済技術省(BMWi)から助成金350万ユーロを獲得したと発表した。主に2G HTSの大量生産・低コスト化技術の開発に充てる。

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2G HTSは再生可能エネルギー電力の送電を含む次世代電力網(スマートグリッド)の分野で応用が期待されている。発電地と消費地が距離的に離れていることが多い再生可能エネルギー発電では、超電導ケーブルを導入することで低損失・長距離送電に道が開けるためだ。

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風力発電機に搭載される永久磁石には安定供給が危ぶまれるネオジムやジスプロシウムなどの希土類が多く使用されているという問題の解決にもつながる。こうした素材の代わりに超電導線材をコイル状にしたマグネット(超電導マグネット)を使用すると、レアアースの使用量を従来品の1,000分の1に抑えることができるという。

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Zenergy Powerはリール・ツー・リール方式で100メートル級の2G HTSを生産する技術をすでに開発しており、今回獲得した助成金でさらなる品質向上と生産の効率化に取り組む。

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助成金はBMWiの2G HTS支援プロジェクト「Spra Tech」の一環で支給される。同分野で中国が急速に台頭するなかで、ドイツは世界トップグループの地位を維持する狙いだ。

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