ここ数年停滞していた独プライベート・エクイティ(PE)投資市場が回復に向かっている。会計監査法人のアーンスト&ヤング(E&Y)が1日発表した市場動向によると、2011年1-6月期(上半期)の国内PE投資額は40億ユーロとなり前期比で1.6倍、前年同期比では4.4倍に増加。案件数は前期から6件増の52件へと拡大した(グラフ参照)。金融危機発生以前の水準には届かないものの、E&Yは「PE市場は底を打った」との見方を示した。
\11年上半期に投資額が1億ユーロを超えた大型案件は7件。最も大きかったのはRhone CapitalによるEvonikのカーボンブラック事業買収(9億ユーロ)とBlackstoneによるJack Wolfskinの買収(推定7億ユーロ)だった。
\投資回収(エグジット)件数は43件で、前の期から2倍以上に増加。売却益は4倍の88億ユーロで、売却ブームの07年下半期に並ぶ水準へと急回復した。株式市況の改善に加え、投資家の取引意欲が強まったことが追い風となった。エグジットのうち株式公開(IPO)を果たしたのはDerby Cycle(自転車)、Norma(産業部品)、GSW(不動産開発)、Adler(アパレル)の4件で、売却益は計7億ユーロに達した。
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