1年前に倒産したオーストリアの大手複合企業A-Tec(ウィーン)が解体されることになった。同社の一括売却に向けた交渉が最終期限の9月末までにまとまらなかったためで、今後は事業の切り売りが行われる。
\駆動装置、工作機械、金属などを製造するA-Tecはオーストラリアにあるプラント子会社の業績が悪化したほか、受注額2億2,000万ユーロの発電所建設をキャンセルされたことで資金繰りに行き詰り、昨年10月に倒産した。その後に債権者から承認された再建計画では同社を2億ユーロで売却し、債権者への配当率で47%を実現する予定だった。事業の分割売却に変わったことで、配当率は20~30%に落ち込む見通し。景気悪化で売却先確保のハードルが高まったことが足かせとなりそうだ。
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