ドイツの原発廃止政策に伴う原子炉の解体コストは1基当たり6億7,000万~12億ユーロに上り、国内17原発の合計では180億ユーロを超える――。企業コンサルティング大手Arthur D. Little(ADL)がまとめた報告書をもとに9月28日付『ハンデルスブラット』が独自入手した報告書を元に報じた。大規模なプロジェクトではコストが当初の予測を上回ることも珍しくないため、総額は20~25%膨らむ可能性もあるという。
\ADLの試算によると、運転停止後の核燃料や原子炉の冷却に5~7年を要するため、実際の廃炉作業はそれまで待つ必要がある。この間も稼働中とほぼ同様の厳しい安全管理や人員配置が必要で、人件費・管理費などのコストは1基当たり1億5,000万~2億5,000万ユーロ、17原発全体では40億ユーロに上る。廃炉作業にはさらに15~20年を要し、全体で140億ユーロがかかる見込み。
\原発運営4社はすでに相当額の解体準備金を積み立てているとしているものの、各社は詳細を公表していない。4社の準備金は計300億ユーロを超えるものの、業界関係者は「これには放射性廃棄物の処理コストも含まれている」と指摘。廃炉に伴う全費用を賄いきれない恐れがあるとの見方を示した。
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