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2011/10/5

経済産業情報

オンライン旅行予約サービス業界競争激化

この記事の要約

独オンライン旅行予約サービス業界で競争が激化している。市場は拡大しているものの、新規参入組も増えてパイの奪い合いが激しくなっているためで、業界2位のExpediaは3位に転落。事業戦略の見直しに乗り出した。9月27日付『 […]

独オンライン旅行予約サービス業界で競争が激化している。市場は拡大しているものの、新規参入組も増えてパイの奪い合いが激しくなっているためで、業界2位のExpediaは3位に転落。事業戦略の見直しに乗り出した。9月27日付『ハンデルスブラット』が報じた。

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ドイツは世界有数の旅行市場で、コメルツ銀行の試算によると、ドイツ人が2010年に支出した旅行関連の出費は国外旅行だけで610億ユーロに上った。好きな時間に予約ができるなどの理由でオンライン旅行サイトを利用する人も増えており、インターネット旅行販売サービス業連合会(VIR)によると、2011年の業界売上高は09年比で30%増加する見通し。

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オンライン旅行市場で急速にシェアを伸ばしているのは新興インターネット企業Unisterだ。02年に設立された同社はab-in-den-urlaub.de、reisen.deなど計8つの旅行予約サイトを運営。10年の売上高は前年の2倍以上の9億5,000万ユーロに拡大し、Expediaを追い抜いた。また、Holidaycheckは売り上げでExpediaに及ばないものの、ユーザーのビジット数は3倍と人気が急上昇しており、Expediaとの差をじわじわと縮めている。

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Expediaはこれを受け、企業イメージを明確化して競合との差別化を図るとともに、サイトの使い勝手を良くするなど顧客サービスを向上させる戦略を打ち出した。具体的にはインターネットを使いこなす若者世代をターゲットとする考えで、スマートフォン向けの携帯アプリを市場投入し出先からでもフライトやホテルを予約できるようにしたほか、画像投稿サイトYoutubeやソーシャルネットワークサービスのFacebookに独自のサイトを立ち上げた。将来的には航空チケットやパッケージツアーを購入するごとにポイントがたまるロイヤルティサービスを導入し、リピート客を取り込む考えだ。

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