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2011/10/12

ゲシェフトフューラーの豆知識

会話の無断録音はプライバシー侵害、解雇妥当

この記事の要約

事業所委員などが従業員と面接する際、その内容をテープなどに記録しておくと後で文書にまとめやすいだろう。その場合、録音することをあらかじめ伝え、了承を得ていないと、解雇される恐れがある。ここではケルン州労働裁判所が5月に下 […]

事業所委員などが従業員と面接する際、その内容をテープなどに記録しておくと後で文書にまとめやすいだろう。その場合、録音することをあらかじめ伝え、了承を得ていないと、解雇される恐れがある。ここではケルン州労働裁判所が5月に下した判決(訴訟番号:8 Sa 364/11)に即してこの問題をお伝えする。

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裁判を起こしたのは官庁に勤務していた障害者の男性で、障害を持つ職員の代表を務めていた。同職員は他の職員から相談を受けた際に、その内容を無断で録音。この事実を知った雇用主は2010年4月19日付の文書で即時解雇を通告した。これに対し原告は、会話を録音したのは病気の関係で集中力が15分以上続かないためだと主張。解雇の取り消しを求めて提訴した。

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第1審のボン労働裁判所は原告の訴えを棄却、第2審のケルン州労裁も同様の判決を示した。判決理由で裁判官は、プライベートな会話の無断録音は刑法201条で禁じられた行為だと指摘。原告は集中力が持続しないことを伝えて事前に録音の許可を求めることができたにもかかわらず、それを怠ったとの判断を示した。

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