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2011/11/2

総合 - ドイツ経済ニュース

電子所得税カードの導入延期、納税者データに誤り多く

この記事の要約

ドイツ連邦財務省は10月31日、来年1月に予定していた電子所得納税カード(elektronische Lohnsteuerkarte)の導入を延期すると発表した。システムにインプットした納税者情報に数多くの誤りがあること […]

ドイツ連邦財務省は10月31日、来年1月に予定していた電子所得納税カード(elektronische Lohnsteuerkarte)の導入を延期すると発表した。システムにインプットした納税者情報に数多くの誤りがあることが分かったため。政府は社会保険給付手続き電子化プロジェクト(ELENA:electoronischer Entgeltnachweis)についても7月に中止を決定しており、電子政府実現の道のりは険しいようだ。

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所得税の納税手続きはこれまで紙の書類で行われており、納税義務者には毎年、紙に印刷された納税者カードが送付されていた。政府はこれらの手続きをすべてペーパーレス化し、企業や税務当局のコスト低減につなげる意向だ。

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電子納税制度は当初、2011年1月のスタートを予定していたが、技術上の問題を理由に2012年1月へと延期された経緯がある。

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今回再延期を余儀なくされたのは電子所得税カードに記載された課税クラス(Steuerklasse)や宗教、税控除の対象となる子供の数などの情報に多数の誤りがあることが判明したためだ。これらの情報は税額算出の基本となるため、誤っていると課税額を正しく算定できない。

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税務当局は先ごろ、電子所得税カードに記載されたデータに誤りがないかどうかを確認するため、各納税義務者への文書送付を開始した。この文書を受け取った市民の多くが役所に電話して誤りがあると連絡。データの記載ミスが多いことが明らかになった。『ハンブルガー・アーベントブラット』紙によると、データに誤りがある納税義務者の割合はシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州で1~2%、ニーダーザクセン州で2.8%に上るもようだ。

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