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2011/11/2

総合 - ドイツ経済ニュース

EFSF支援、下院特別委の承認権が当面保留に

この記事の要約

ユーロの財政悪化国に対する欧州金融安定基金(EFSF)の支援策をドイツが承認する際の決定を連邦議会(下院)に新設した少人数の特別委員会で行うのは違憲だとして野党・社会民主党(SPD)の議員が10月27日に提訴した裁判で、 […]

ユーロの財政悪化国に対する欧州金融安定基金(EFSF)の支援策をドイツが承認する際の決定を連邦議会(下院)に新設した少人数の特別委員会で行うのは違憲だとして野党・社会民主党(SPD)の議員が10月27日に提訴した裁判で、連邦憲法裁判所(BVerfG)は28日、特別委が決定することを禁止する仮処分命令を下した。メディア報道によると、本訴訟で最終判決が出るまでは支援策に関する決定を総議員が出席する本会議で行う公算が高く、支援が急を要する場合は支障が出る恐れもある。

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連邦議会はこのほどEFSF支援法案を可決。支援策承認の決議は重要性と緊急性および機密度の度合いに応じて本会議(議員数620人)、予算委員会(同41人)、ないし特別委員会(9人)のいずれかで行うことを決定した。

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これに対し違憲訴訟を起こした議員は、たとえ緊急性を要する場合であってもわずか9人の議員で構成される特別委のみで決定することは他の議員の予算審議権を侵害するものだと主張。BVerfGの裁判官も違憲の可能性があるとして、特別委による決定を当面、禁止した。同裁の広報担当者によると、本訴訟の判決は口頭弁論を実施しなければクリスマス前にも下される見通し。

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