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2011/11/9

経済産業情報

食品表示ポータル、反響は上々=消費者保護相

この記事の要約

独消費者センター全国連盟(VZBV)が7月に開設した食品表示に関する消費者ポータルサイト「lebensmittelklarheit.de」が順調な滑り出しをみせている。連邦消費者保護省(BMELV)が10月27日発表した […]

独消費者センター全国連盟(VZBV)が7月に開設した食品表示に関する消費者ポータルサイト「lebensmittelklarheit.de」が順調な滑り出しをみせている。連邦消費者保護省(BMELV)が10月27日発表した中間報告によると、消費者から寄せられた苦情や疑問は開設から100日で3,800件に達した。『南ドイツ新聞』(SZ)によると、多くのメーカーが表示改善に取り組むなど顕著な効果が表れており、イルゼ・アイクナー連邦消費者保護相は満足を表明した。

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Lebensmittelklarheit.deは消費者保護省が進める「食品表示明確化・適正化」イニシアチブの一環で立ち上げられた。偽装表示・紛らわしい表示から消費者を保護することや、食品表示に関する正しい知識の普及を目的とし、補助金を受けている。

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予算やスタッフの数が限られるため、苦情処理のスピードは遅い。製品の質や賞味期限など、サイトの趣旨と関係ない苦情を振り分けた後に、内容の精査・メーカーへの照会など事務処理手続きに回された件数は全体の4分1(900件)にとどまる。サイトに掲載された製品は72件(SZ紙調べ)とさらに少ない。

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しかし、ウェブ上への公表がメーカーに与える圧力は大きく、「“カレー・オレンジ・ケチャップソース”とあるのにオレンジが入っていない」とやり玉に挙がったメーカーは、オレンジピールを原料に使用する方針を表明。「“ワサビピーナツ”とあるのにワサビが入っていない」と苦情を受けたメーカーも、「本物のワサビでなくワサビフレーバーを使った製品のほうが試食テストで評価が高かった。また、ワサビアレルギーを持つ人もいる」と理由を説明したうえで、本物のワサビ入り製品を早急に市場投入すると約束した。

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消費者保護連合会の関係者は、「メーカーはこれまで、我々の改善要求にほとんど見向きもしなかったが、現在は対応が驚くほど変化した」と述べ、新サイトの意義を強調した。

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