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2011/11/30

経済産業情報

独バイオ業界で新薬上市の期待高まる

この記事の要約

ドイツのバイオ医薬品業界で新薬上市への期待ムードが高まっている。Wilex(ミュンヘン)の開発する抗がん剤が第3相臨床試験で良好な結果を出すなど、明るい話題が相次いでいるためだ。25日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。 […]

ドイツのバイオ医薬品業界で新薬上市への期待ムードが高まっている。Wilex(ミュンヘン)の開発する抗がん剤が第3相臨床試験で良好な結果を出すなど、明るい話題が相次いでいるためだ。25日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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Wilexは11月21日、開発中の腎臓がん治療薬「Rentarex」について独立データ・モニタリング委員会(IDMC)から「中間解析を行わずただちに最終解析に入るよう」勧告されたと発表した。これまでに得られたデータから薬効の高さがほぼ確実と判断されたためだ。中間解析の提出が不要になるため、同社は販売認可申請までの期間を大幅に短縮できる。オラフ・ヴィルヘルム社長は、2013年上半期には販売認可申請にこぎつけられるとの見通しを示した。

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Biofrontera(レーバークーゼン)は10月21日、欧州医薬品審査庁(EMEA)で医薬品の科学的評価を担当する医薬品委員会(CHMP)が同社の日光角化症(ケラトーシス)治療薬「BF-200 ALA」の販売承認勧告を採択したと発表した。欧州連合(EU)・欧州委員会からの正式な販売許可を経て年内にも欧州市場への投入が可能になる見通しだ。Biofronteraは同薬を「Ameluz」の商品名でEU27カ国とノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインで販売する。

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なお、独バイオ業界団体のBio Deutschandが11月24日発表した年次報告書によると、独バイオテクノロジー企業が2011年1-10月期にベンチャーキャピタル(VC)と市場を通して調達した資金は1億500万ユーロで、前年通期の6分の1の水準に落ち込んだ。

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