鉄鋼系複合企業のThyssenkrupp(エッセン)が2日発表した2011年9月通期決算の最終損益は17億8,300万ユーロの赤字となり、前期の黒字(9億2,700万ユーロ)から大幅に悪化した。評価損28億ユーロを計上したことが響いた。ブラジルの鉄鋼工場が最大の足かせ要因となっている。営業損益は9億8,800万ユーロの赤字。前期は13億4,600万ユーロの黒字だった。
\半製品ブルームを生産する同工場のコークス生産施設の建設を6年前に中国企業のCiticグループに委託したことが響いている。設計と素材選択に誤りがあったためだ。Thyssenkruppはこれを受け、傘下企業のUhdeに改善措置を委託したが、問題を完全に解決することはできないため、生産能力は当初予定を下回るという。
\同生産施設では鉄鋼生産に必要なコークスのほか、副生ガスで電力も生産する。このため、同施設の生産能力が当初計画を下回ると、鉄鋼と電力の生産もしわ寄せを受ける。
\11年9月期の売上高は好調で、前期比15%増の490億9,200万ユーロに拡大した。受注高は22%増えて502億4,700万ユーロに達している。
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