経済誌『ヴィルトシャフツヴォッヘ』と新社会的市場経済イニシアチブ(INSM)」が9日発表した大都市ランキングで、ミュンヘンが総合1位に輝いた。2004年の調査開始以来一貫してトップを独走しており、今回も圧倒的な強さを見せつけた。過去5年で大きくランクを上げた都市の1位にはカッセル(ヘッセン州)が選ばれた。
\同ランキングはドイツ経済研究所(IW)傘下のコンサルティング会社IW Consult (ケルン)がINSMとヴィルトシャフツヴォッヘの委託を受けて作成。人口ランキングで上位50都市を対象に「裕福度(収入、税負担額など)」「労働市場(失業率、就業率など)」「構造(失業保険受給者、周辺地域からの通勤者数、GDPなど)」「拠点(義務教育未修了者数、高等教育修了者数など)」の4カテゴリー、計90種類の経済・社会的指標を基に評価をはじき出す。
\総合トップのミュンヘンは4カテゴリーのうち「拠点」を除く3分野でトップに立った。特に失業率は5.6%と低く、国内で完全雇用を達成する最初の都市となる可能性が高い。また、第2種失業者手当(通称ハルツ4。実質的に生活保護)受給者も4.1%で全国最低水準だった。INSMの関係者は「ミュンヘン工科大を中心とする技術的なインテリジェンスと経済の緊密なネットワークが繁栄の大きな原動力となっており、教育と研究が企業の価値創造プロセスに体系的に結びつくことの重要性を物語っている」とコメントした。
\一方、大きく改善した都市のトップに選ばれたカッセルは、社会保険料を納付する義務のある雇用者の数が過去5年間で13.9%増加(50都市平均:6.6%)したほか、失業率も8.7ポイント下がったことで評価が急上昇した。
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