ユーロの現金導入が行われた2002年1月からおよそ10年が過ぎた今月16日、ドイツ連邦統計局は消費者物価の変動率に関する統計を発表した。それによると、02年1月~11年11月のインフレ率は平均1.6%にとどまり、ユーロ現金導入前の10年間の平均(同2.2%)を大きく下回った。ドイツマルク流通時代(1948年6月21日~01年12月31日)は同2.6%に上っており、ユーロ導入後の物価が安定的に推移していることが分かる。賃金の上昇率が小幅にとどまったことで、小売の価格転嫁が鈍化したもようだ。
\過去10年間で価格が最も大きく上がった商品は暖房油・自動車燃料で、85.3%に達した。電力も66.1%に達しており、エネルギーが最大の押し上げ要因になっていることが分かる。このほか、食料品も16.3%高くなっており、非耐久消費財全体では35.2%の伸びを記録した。
\一方、耐久消費財は6.3%下落した。家電の価格低下が反映された格好で、統計局のデータをもとに『南ドイツ新聞』が算出したところによると、パソコンとテレビはそれぞれ86%、80%の幅で下がっている。衣料品や靴などの半耐久消費財は7.0%上がった。
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