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2012/1/4

企業情報

TA Triumph-Adler GmbH―黒字転換見込む―

この記事の要約

京セラミタの完全子会社である独Triumph-Adler(ニュルンベルク)が長年の赤字から脱却する見通しだ。同社のギスカルド・ピン最高執行責任者(COO)が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにしたもので、2012年1- […]

京セラミタの完全子会社である独Triumph-Adler(ニュルンベルク)が長年の赤字から脱却する見通しだ。同社のギスカルド・ピン最高執行責任者(COO)が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにしたもので、2012年1-3月期(第4四半期)には黒字転換を果たすとしている。

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Triumph-Adlerはタイプライターの老舗メーカー。1979年に自動車大手Volkswagen(VW)、86年には伊パソコン大手Olivettiに買収された。京セラミタは同社を2008年に買収、2010年に完全傘下に収めた。

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Triumph-Adlerは事業再建に向け、販売網のほか、文書のデジタル化サービス事業を強化している。医療機関を特に有望な販売先とみており、同社はすでに700機関を顧客として獲得した。

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ピンCOOによると、同社の強みは異なるブランドのコピー機や印刷機に対応できる独自開発のソフトウエア「Kirk」だ。医療機関では近年、グループ化や経営統合の動きが加速している一方で、ハードウエアの統合が追い付いていないため、どんな機種にでも対応できるKirkは威力を発揮するという。競合企業は顧客を獲得するとコピー機などを一気に自社製のものに切り替えるが、Triumph-Adlerの場合は自社ブランドへの入れ替えを徐々に実施。顧客企業の財務負担を緩和できるため、顧客の評価は高く、2011年4~12月の9カ月間に同ソフトをインストールした顧客は500社に上った。今後3年で5,000社へと増やす意向だ。

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