横領を行った社員は額が小さい場合を除き解雇できる。だが、そうした社員が横領の事実を否認している場合は、十分な証拠を提示しないと解雇できない――。そんな判決をデュッセルドルフ州労働裁判所が17日に下したので、ここで取り上げてみる。
\裁判を起こしたのは廃棄物会社でゴミの収集業務を担当する職員。雇用主は同職員が2010年6月1日、個人宅からゴミを収集した際に領収書を発行せず、代金14.99ユーロを横領したとして、15日付で即時解雇を通告した。原告社員はそうした事実はないと反論、解雇取り消しを求めて提訴した。
\第1審のゾーリンゲン労働裁判所は原告勝訴を言い渡し、第2審のデュッセルドルフ州労裁も第1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、被告企業は原告が横領を行ったとする主張を裏付ける十分な証拠を提示できなかったと言い渡した。連邦労働裁判所(BAG)への上告は認めなかった。
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