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2012/2/8

経済産業情報

環境地図作成と経路計画を同時実行、ロボットの制御システム開発

この記事の要約

人が立ち入れない被災地など未知の環境下を自律走行しながら、障害物や傾斜などの3次元環境計測と地図生成を並行して行うロボットの制御アルゴリズムを、フラウンホーファーオプトエレクトロニクス・システム技術画像処理研究所(IOS […]

人が立ち入れない被災地など未知の環境下を自律走行しながら、障害物や傾斜などの3次元環境計測と地図生成を並行して行うロボットの制御アルゴリズムを、フラウンホーファーオプトエレクトロニクス・システム技術画像処理研究所(IOSB)が開発した。ロボット投入経路を状況に合わせて適宜、計算することも可能という。

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大規模な自然災害や化学プラントの事故など、人が立ち入るには危険な場所やせまい場所での検知・探査作業ではロボットの手助けが欠かせない。その際、地形変化や障害物などの環境情報は災害救助計画を立てるうえで欠かせないが、遠隔操作カメラで撮影した映像だけでは全体状況を把握できないことも多い。こうした事情から、ロボットが未知の環境下を自律走行し、画像に加えて3次元形状を計測し地図化することへの関心が高まっている。

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IOSBが開発したのは、複数のセンサーから取得した情報からロボットが現在地を推定すると同時に環境地図を作成するSLAM (Simultaneous Localization and Mapping)のアルゴリズムだ。IOSBのアルゴリズムでは、オドメトリーセンサーでタイヤの回転角、イナーシャルセンサーで車両の角速度と加速度、測距センサーで壁や階段などの障害物までの距離をそれぞれ測定、カメラとレーザーで取得した環境情報と突き合わせてロボットの位置を高精度に割り出す。同時に取得したデータから3次元環境地図も作成していく。

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IOSBのアルゴリズムのさらなる特徴は経路計画機能だ。探査の目的に応じて最短経路、最速経路、燃料消費が最も少ないエコルートを計算できる。余震で物が落ちてくるなど、刻々と変化する状況に合わせ、随時最適な経路を計算する。

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IOSBは3月の国際情報通信技術見本市(CeBIT)で同アルゴリズム搭載のロボットを紹介する予定だ。

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